2021年ダブルイレブン前半戦終了 その成果は?
早いもので、すでに11月3日を過ぎ、ダブルイレブンも前半戦を終了し、後半戦に移行している。
ここで中間の状況として、一部のリサーチ会社が見ている2021年ダブルイレブンの状況を確認しておこう。
プラットホームの勢力図は変わらず。W11前半戦
この前半戦、中国のECデータ分析シンクタンクである星図数据では、前半戦の全ECプラットホームの売上を「3,162億元」と分析している。
そのうちの55%がT-Mall、37%をJD.com、その他のプラットホームが8%と、T-Mall優勢の状態にあるとしている。
【グラフ】2021年ダブルイレブン前半戦各ECプラットホーム総売上状況
出所:星図数据
プラットホームの独占禁止法監督強化によって、消費者の分散化も予想されているが、現時点ではドラスティックな変化は起きておらず、T-Mallが全体の過半数を占め、それをJD.comが負う形は、商戦期においては大きく変わることはないと考えらえる。
コスメ領域速報。Estee Lauder強しも、メイクブランドに見どころも
同じく中国のECの販売データを観測しているECdatawayはメディア「億邦動力(ebrun.com)」と共同で、ダブルイレブン上半期のブランド売上ランキングを公表している。
ここではT-Mallにおけるスキンケアとメイクアップのランキングを見てみよう(11月1日時点)。
【図】T-Mall W11スキンケアブランドランキング
【図】T-Mall W11メイクアップブランドランキング
これを見ると、Estee Lauderが双方で1位を獲得しており、中国コスメ界におけるトップブランドとしての地位を堅固なものとしている。
スキンケアにおいてはEstee Lauder、LOREAL、LANCOMEのトップ3ブランドは変わらず、それをThe history of Whoo、Shiseido、そして国産のWINONAが追いかける形が展開されている。
またメイクアップではEstee Lauderに次いでYSL、GIORGIO ARMANIと欧米系のトップブランドが占めている。
気になるのは国産勢。完美日記(PerfectDiary)、花西子に続いてColorkeyが10位に入っており、同ブランドが中国国産ブランドにおける第3勢力となっていることを示している。
618ではハローキティとのコラボ商品で話題となったColorkeyだが、このダブルイレブンは同じく日本のコンテンツ「ポケットモンスター」との「ピカチュウ」コラボ商品を押し出し、618に続く成果を狙っている。
注目は日本の資生堂傘下のブランドCPB。
スキンケアに強みを持っている印象のあるブランドであるが、今回はメイクアップセグメントでじりじりと上位に食い込んでいる。
物量にまさる欧米系、中国国産系に挟まれる形になっている同ブランドだが、後半どのように勝ち残っているかに注目しておきたい。
そのほか、レディースアパレルおよびインナーのブランドで若干気になる動きがあり、前者では新鋭ブランドのITIB、後者も国産新鋭ブランドのubrasがこれまで人気だった日本のUNIQLOを抑え込んでいる様子が見て取れる。
プラットホーム全体としてももちろんだが、こうした新領域の国産ブランドにも注目しておきたい。
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