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コロナ後のダブルイレブンはスタートから3700億元の大台へ

毎年恒例となったダブルイレブン(双十一 独身の日)が始まった。

今年は前後半の2部体制が敷かれた最初の歳であり、前半戦で大手の成果もほぼ見えている感があるが、やはり「儀式」としての11月11日は強い存在感を有している。

まずはスタート時点の状況を整理しておこう。


例年通りトップアーティストがそろうダブルイレブン前夜祭

2020年も11月10日19:50ごろから恒例の「ダブルイレブン前夜祭」が開催。

T-Mallのイメージキャラクターを務める易烊千玺を始め、林允や欧陽娜娜などの若者のファッションリーダーであり、同時にライブなどでもなじみ深い芸能人が登場した。

またこれまでセリーヌ・ディオンやミランダ・カーなど、欧米のトップアーティストが参加してきた同番組。今年はアメリカからケイティ・ペリーが登場し、会場を沸かせた。

全体的には例年と大きな違いのない番組だったが、中国最先端のヒップホップのほか「国潮」を思わせる中国伝統衣装のステージ、また参加アーティストが歌う曲も中国民族的なプライドを刺激するような内容の曲目が選ばれるなど、現在の「強くなった中国の若者」の嗜好を感じさせる内容となっていた。

昨年を大きく上回るオーダー額。今年の気になるポイントは?

もちろん気になるのは今年の「オーダー金額」である。

【グラフ】ダブルイレブンのオーダー金額推移

出所:T-Mallの発表をもとに作成

今年は昨年とは雰囲気が異なり、スタート後30分を過ぎてもオーダー金額が対外公表されない状態であったが、現地時間11日0:30過ぎにオーダー金額3723億元との発表がなされ、この時点で昨年越えが確定となった。

この背景には今年から採用された前後半2部制がある。

11月1日から3日までの前半戦の支払い状況で、ほぼこの金額は確定していたことは想像に難くない。11日の最終振り込みで、この数字がどこまで積みあがるか、という部分が注目される。

 

また気になるのは各セグメントにおける売上ランキング状況である。

主に前半戦、人気商品への一点集中しライブを展開する手法がランキングに変動をもたらしていたが、それがどのように影響したのかは、来年の戦い方を考えるうえでも注目する必要がある。

 

その予想のために、中国の小売業界メディア「億邦動力(ebrun.com)」が収集分析を行った、2020年ダブルイレブンのスキンケア売上ランキング状況を見てみよう。

【表】億邦動力によるダブルイレブンスキンケア部門のランキング

出所:http://www.ebrun.com/より

これを見ると前半戦のランキングはまさに「ダブルイレブン」を象徴するトップブランドが名をつられているが、その後、後半戦のランキングを見るとL’OREALやEstee Lauder、Olayといった欧米系ブランドは当然のことながらトップに入っているが、それ以外はこれまでのダブルイレブンでは上位に顔を見せなかったブランド、大手とは言えない欧米ブランドや中国系ブランドがトップ10に入っている。

 

こうしたブランドの後半戦の動き、そしてランキングからいったん姿を消したブランドの動きを合わせ、最終のランキングを分析する必要が生じている。

最終発表には注目したいところである。