2020年ダブルイレブン前半戦終了! 人気スキンケアランキングに変化が
ダブルイレブンも11月1日から3日の1回目の山場を越え、長い戦いもターニングポイントを超えた。
そのなかで、徐々にデータが公表されつつあるが、スキンケアセグメントにおいては、若干の変化が見えるようである。
今回は現時点で公開されている情報を基に、ダブルイレブンのスキンケアセグメント前半戦の結果を見てみよう。
前半戦終了。スキンケア市場に変化が?
今年のダブルイレブン。コロナ後の最大商戦という事で、注目が高まっているのは言うまでもない。
ただ、今年は形式が若干異なり、10月21日からの予約期は10月31日で終了し、11月1日から3日までが予約の残金支払期間となり、翌4日から10日まで第2次予約期へと移行、11日に第2期支払期となる。
そのため、3かを終わった時点で前半戦が終了。いったんの情報収集が図られている。
まさに中間報告といえる前半戦の成果、まずはスキンケアブランドにおける現状を見てみよう。
分かりやすくするために、2019年のダブルイレブンにおけるスキンケア人気ブランドランキングと、現時点、すなわち最初の支払い終了時点でのランキングを昨年と比較してみる。
【表】2020年11月3日末時点でのスキンケアブランドランキング
出所:http://www.ebrun.com/より
これを見るとL’OREAL、Lancome、Estee Lauder、Olayのトップ4ブランドは盤石の態勢を敷いているのが見て取れる。
両ブランドは昨年のダブルイレブンでも、ライブの大量展開を行い、特にL’OREALは2018年の3位から1位奪取となったブランドである。
▼参考記事
2019年ダブルイレブン(独身の日)マーケティング分析 化粧品2ブランド躍進の背景は
問題は5位以下である。
昨年の5位であるSK-Ⅱが7位にまで後退、変わって日本のSHISEIDOが5位、韓国のThe history of whooが6位に上っている。
The history of whooはダブルイレブントップ10の常連の感があるが、2019年は8位、その前はトップ10外であった。
また日本ブランドのトップ10入りは2017年にSHISEIDOが10位に入って以来の事である。
もちろん、11日11日の最終日まで何が起こるかわからないため、これがこのまま継続するとは限らないが、最後まで駆け抜ける勢いをここで付けたことは間違いない。
「全集中」のセオリー。メディア多角化で重要度増す?
では、今回のダブルイレブンでは何が起こっているのだろうか。
気になる分析報道がある。それは、現時点で6位につけているThe history of whooについての記事である。
▼参考記事
数据拆解:双11史上唯一预售额破5亿单品,是怎么诞生的?
同ブランドの主力商品は「天気丹(Cheongidan Radiant Emulsion)」。今回はそのシリーズの化粧品7商品セット(1590元)を主力商品として展開している。
その成果は、ダブルイレブン予約開始からわずか14分で「予約総額5億元」を突破していた。これはダブルイレブン市場初の快挙となっている。
その時点(10月24日ごろ)の予約状況では、スキンケア部門でOlayを追い越し、4位につけていた。
このThe history of whoo/后伸長の背景には、「徹底的なライブ投入」、「メイン商品への徹底した注力」という点が挙げられる。
中国メディアの分析報道によると、同ブランドが10月24日までの間に、135人のライバーを使い、305回のライブを展開。結果として予約総額の内83%をこうしたライブ経由で獲得しているという。
その中でも特に10月20日の前夜から行われた、薇婭ライブでの商品紹介が全予約の7割を占めていともいわれている。
さらに注力商品への投入度。同ブランド関連のライブのうち、1/3を5億元を突破した「天气丹」に投入させているようで、その「多発信・商品集中」が効いていると分析されています。
また5位に入っているSHISEIDOだが、こちらもSNS発信の状況を見る限り、発信情報をもっとも人気となっている商品である「紅腰子」ultimuneに集中させており、それを例年以上の力で展開させている様子がうかがい知れる。
中国のシンクタンクCBN Dataが10月29日までの予約状況をまとめたデータでも、「天気丹(Cheongidan Radiant Emulsion)」をトップに、それぞれが注力した商品が上位に挙がっており、その中にSHISEIDOのultimuneも見える。
多ラインナップをそろえるブランドではどうしても多くの商品を販売したくなるが、やはりいずれかの商品に集中させること、というセオリーは変わっていないように見える。
近年は情報チャネルが多様化している分、情報が薄まりがち。それだからこそ、「今年のダブルイレブンではコレを売る!」という集中戦略がより重要になっているのかもしれない。
最終日、それがどのような変化を見せるのかも注目したいところである。