【中国人訪日観光】日本では実現出来ないけれど、意外な「やってみたい!」こと人気~「○○したい」ランキングから
トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。その中から「行った」「食べた」「〇〇したい」などインバウンドに関連したランキングをピックアップし、注目のキーワードを分析します。
今回は6月14日公開予定の2019年5月22日〜5月28日「○○したい」ランキングから、自動車大国中国で生まれた新たなニーズについて分析します。
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今週の中国人気訪日クチコミ:「オートバイを運転したい」
今回注目するのは、○○したいランキングで人気になっている「オートバイを運転したい」です。
最近の中国では経済力が上がったこともあり、一昔前に主流だった自転車や電動バイクから自動車に乗り換える人が増えています。
しかし、そんな中でもバイク、特に日本のオートバイに乗りたいと思う人は意外に多くいるようです。
自転車大国からバイク、自動車へ
かつて中国といえば、自転車大国といわれていましたが、近年の著しい経済成長の元、国民の移動手段はバイク、そして特に富裕層は自動車を購入することが多いようです。
バイクといっても、中国国内で普及しているのは電動バイクで、いわゆるガソリンで走るオートバイは徐々に減少傾向にあります。
バイク市場が衰退しているのには、人々の移動手段が二輪車から四輪車へと変わっていることが大きな理由で、北京や上海などの大都市では、高級車が多く見られます。
また、大気汚染や渋滞、多発する事故への対策として、オートバイへのナンバープレートの新規発給が中止されたり、市内をバイクで侵入する場合はAナンバーというものを取得する必要があるなど、バイクに乗るメリットがあまり見受けられないのです。
電動バイクに限ってはナンバーの取得や免許が必要なく、しかもノーヘルOK。都市間を走行するのではなく、市内を巡回する程度あるならば、断然こちらの方が経済的にも良いのです。
規制が厳しいけど乗りたい。では乗れる国へ?
上記のように、オートバイに関しての厳しい規制があるために、中国ではバイク人口が年々減少しているのです。
しかし、日本のアニメや仮面ライダーなどの特撮ドラマで見たオートバイのかっこよさに憧れる人は意外に少なくなく、ホンダやスズキ、カワサキ、ヤマハなど、日本のオートバイは人気となっています。
中国国内ではオートバイに乗ることが年々難しくなってきているからこそ、訪日の際には日本のオートバイに乗りたいと思うのです。
ただ、国際免許を持っていても日本では運転することができません。というのも中国は、日本で運転できる国際運転免許証を発行できるジュネーブ条約に加盟していないからです。
中国はウイーン条約に加盟しており、ウイーン条約に基づく国際運転免許しか発行していません。つまり、中国(台湾・香港・マカオを除く)が発行する国際運転免許証は日本では有効ではないのです。
ですから、訪日の際に走り去る日本のオートバイを目の当たりにするたびに、SNS上には「かっこいい」「乗ってみたい」「アニメの世界みたい」などとつぶやく人が後を絶ちません。
結局、日本では憧れのオートバイに乗ることはほとんどできませんが、東南アジアの国々では、日本のオートバイを試乗できるツアーなどもあるようです。
訪日時には指をくわえてみていただけの日本のオートバイに乗れるとあって、意外と人気を博しているようです。