【中国人訪日観光】中国人観光客が地方図書館に?意外なスポットも聖地化~「行った」ランキングから
トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。その中から「行った」「食べた」「〇〇したい」などインバウンドに関連したランキングをピックアップし、注目のキーワードを分析します。
今回は6月7日公開予定の2019年5月15日〜5月21日「行った」ランキングから、あの名作の影響で一気に人気を伸ばしているスポットを紹介します。
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今週の中国人気訪日クチコミ:「飛騨市図書館」
今回注目するのは、行ったランキングで急上昇している「飛騨市図書館」です。
岐阜県飛騨市にある公立図書館「飛騨市図書館」が中国人観光客に人気となっています。理由は、あのアニメ映画の聖地だからとか。地方都市にある公共の施設でも、わざわざ足を運ぶだけの理由があるようです。
風光明媚な飛騨市にある公立図書館
飛騨市図書館は、岐阜県飛騨市にある公立の図書館で、飛騨市役所本庁舎に隣接して建っています。
毎月1回「おとなの時間」と題した企画を開催し、若年者への読者普及活動や利用者増加のための活動を展開しています。
また、飛騨市役所の一部の部署を置いているほか、多目的ホールや会議室も設け、広く市民の交流の場になるよう整備されています。
図書館は建物の1階で、太陽光を取り込みやすく設計され、木のぬくもりが感じられる造りになっています。
この公立図書館が世界中から注目されたのは、2016年に公開されたアニメーション映画「君の名は。」の中に登場する図書館のモデルとなったことから。
日本をはじめ、海外でも映画がヒットし、映画公開以降に聖地巡礼に訪れる人が後を絶ちません。
映画のヒットで聖地巡礼。写真も禁止じゃなく「許可制」へ
そもそもこの風光明媚な街が注目されたのは、2016年に公開され大ヒットを記録した映画「君の名は。」のヒロイン、三葉が住む山里のモチーフのひとつとなったことが影響しています。
作中で主人公が利用した図書館のモデルになったのが、今回行ったランキングで急上昇している飛騨市図書館です。
映画公開後、図書館内で行われた展示に、写真撮影を申請した人数は約4カ月で3万人以上に達したといいます。その多くが、台湾、香港、中国からの観光客で、中国国内で公開されるや同国の日本アニメ映画の興行記録歴代1位になったこともあり、中国大陸から訪れる人が劇的に増えたといわれています。
映画は2016年8月に公開されましたが、公開後の9月には数組の来訪があった程度だったにも関わらず、10月に入ると平日に100人、休日には300人以上が押し寄せる事態に。こうしたなか、同図書館では、それまで調査していなかった入館者数を急遽記録するようなったほど。
さらに館内の写真撮影を禁止するのではなく、カウンターで許可を得た上で一般の利用者の顔が識別できないように撮影してほしいという注意事項を発表し、対応しています。
SNSで撮影許可申請のレクチャーも
中国国内での大ヒットもあり、ここを訪れる中国人観光客は増え続けています。この地を訪れる中国人は、大学生や社会人のカップルなど、若者が中心。大部分が個人旅行で、日本旅行のリピーターが多いようです。
聖地巡礼後には必ずSNS上で写真やコメントを公開。映画のシーンと同じ二つの状況写真を撮ってみたり、前出の写真申請が必要になることなども、これら訪れるであろう人たちに事前に公開し、情報を共有しています。
この「君の名は。」だけでなく、日本全国で人気となっているアニメや映画の聖地巡礼する中国人は後を絶ちません。そのくらいアニメやゲームなど聖地巡礼というコンテンツが、日本旅行へいく大きな目的になっているということでしょう。