中国トレンドExpress

【訪日中国人】忍野村の湧水で心も清らかに! 疲れた中国人観光客の癒しスポット~「行った」ランキングから

トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。その中から「行った」、「食べた」、「〇〇したい」などインバウンドに関連したランキングをピックアップし、注目のキーワードを分析します。

今回は2019年1月30日〜2月5日「行った」ランキングから、身も心も清らかに癒してくれる観光スポット人気を分析してみたいと思います。

まずランキングトップ10はこちら。

2019年1月30日〜2月5日「行った」ランキング

今週の中国人気訪日クチコミ:「忍野村に行った」

今回注目するのは、行ったランキングで急上昇している「忍野村」です。

山梨県の南東部、富士山北東麓にある「忍野村」を訪れる中国人が増えています。ふと周りを見渡すと、中国人観光客しかいない時もあるそうです。

この村の、何がそんなに彼らを引き付けるのでしょうか。

富士山の麓で、湧水に満たされた村

忍野村は、山梨県の南東部に位置する富士山の麓にある村です。

風光明媚なこの場所で、特に名を馳せているのは、富士山の伏流水が湧く国の天然記念物である忍野八海や、麓から望む富士の展望です。

忍野温泉付近にはリゾートホテルが立ち並んでいるほか、森と水をテーマにしたテーマパーク、さかな公園などがあります。

この風光明媚な村落に、連日中国人観光客が押し寄せているといいます。

ちょうど富士山が世界遺産に登録された2013年頃から、中国人観光客が増えはじめたそうです。

というのも、都会生活やpm2.5などの環境問題に疲れた中国人にとって、富士山が望め、桃源郷のような景色が広がる忍野村は、何よりもリフレッシュできる場所となっているようなのです。

忍野八海は“日本の九寨溝”

忍野村を訪れた人が必ずと行っていいほど訪れる場所が、忍野八海。1200年前にはすでにあったと言われており、富士山の雪解け水が泉として湧き出して8つの泉になりました。

池は御釜池、底抜池、銚子池、濁池、湧池、鏡池、菖蒲池と出口池に分かれ、よく澄みきった水質で、“日本の九寨溝”と呼ばれています。富士山からの雪解け水が、地下の不透水層という溶岩の間で数十年の歳月をかけてろ過されるので、澄み切った水はとても美しく神秘的なのです。

この忍野八海について中国人観光客に聞くと、「水がきれいで、食べ物がおいしい」、さらに「富士山が見える」という声が必ず返ってくるほどです。

忍野八海からはとても美しい富士山を眺めることができるほか、周りには和風の家や水車もあって、とても絵になります。

こだわりの漬物と名物草餅など、昔ながらの方法で作られた自然のものを美味しくいただくこともできます。素朴な味を楽しめるほか、抹茶体験などもできるなど、都会生活に疲れた中国人にとって癒しスポットになっているのかもしれません。

癒しを求めて忍野村へ

富士山の地下水などの綺麗な湧水からできた、風光明媚な八つの自然池がある忍野八海は、世界遺産富士山の構成資産の一部として認定されています。

富士山が世界遺産に登録された2013年頃から中国人観光客が増えはじめ、東京−大阪のゴールデンルートの定番立ち寄り地になっています。

なので、中国に限らず、アジアからの団体ツアーは、富士山五合目までバスで登る前後に忍野八海に立ち寄ることになります。東京に向かう途中にあるためバスで立ち寄りやすいことが、彼らの訪れる理由なのです。

また、日本各地にある無数の観光地のなかでも、富士山は中国人観光客にとってはあこがれの観光スポットであり続けていることも強い理由になっています。

体験型旅行が主流となった今だからこそ、モノではなくコトにお金を費やしています。中国でもあまり見られない美しい湧水池は、彼らにとって観光的にも価値が高いのです。

だからこそ、爆買いから癒しスポットに足を運ぶ中国人が増えているということなのでしょう。