【インバウンド】日本のアイドル大好き! あのイベントも訪日観光の目的に~「○○したい」ランキングから
トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。その中から「行った」、「食べた」、「〇〇したい」などインバウンドに関連したランキングをピックアップし、注目のキーワードを分析します。今回は2018年5月30日〜6月5日「〇〇したい」ランキングから、つい前日総選挙が行われた、あのアイドルグループに関係したイベントについて分析します。
まずランキングトップ10はこちら。
今週のインバウンド ワード:「握手会に参加したい」
今回注目するのは、○○したいランキングでジワジワと上昇し、今週は13位にランクインした「握手会に参加したい」です。
クチコミ件数で見てみると、昨年7月時点では100件程度でしたが、最近は400件前後をキープ、ランキングにおいても常にトップ10入りを伺う位置につけています。
【グラフ】2018年5月30日〜6月5日「〇〇したい」ランキング11位~20位
順位 | |
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11 | 富士山に登りたい |
12 | 和菓子を作りたい |
13 | 握手会に参加したい |
14 | 人力車に乗りたい |
15 | 紙漉きをしたい |
16 | スキューバーダイビングをしたい |
17 | 新幹線に乗りたい |
18 | 鹿を見たい |
19 | 舞妓さんになりたい |
20 | 博物館周りをしたい |
日本の文化に興味を持つ中国人は日々増えていますが、日本のアイドルに傾倒する中国人ファンも数多くいます。
そんな彼らが注目するのが「握手会に参加したい」ことのようです。何が彼らをそこまで魅了するのか検証してみました。
アイドル文化が浸透し始めた中国
中国では多くの若者が日本の漫画などの文化に興味を持ち、それがきっかけで日本語を学んだり、留学を考えたりする若者もいるほどで、日本の文化というものが彼らにとって熱狂するコンテンツのひとつになっています。
日本に対してイメージコントロールされている中国で、漫画やアニメなどに興味を持ち日本のコンテンツを好きになることで、日本に対してのイメージが劇的に変化し、憧れを抱くようになるのです。
その中で人気が高まっているのが「日本のアイドル」。
彼ら彼女らが作り出す独自のスタイルは、中国の消費者に魅力的な選択肢を与えており、中国国内で少しずつ定着しはじめています。
これはまさに「憧れの対象」として、中国の若者たちの心を捉えているようにも見えます。
自分だけのアイドルを探す
AKB48の中国上海版SNH48が中国で活動を始めたことも中国でのアイドル文化の浸透に大いに影響を与えています。
現在はAKBからは完全に独立し、独自の路線を歩んでいますが、当初は日本のスタイルを導入していたこともあり、ライブや握手会、ファンミーティングなど日本独自のアイドルを身近に感じられるイベントなどを開催していたこともあり、これらを体験した若者たちが足繁く通う熱狂的なファンとなりその数が徐々に増えていったのです。
ひとつ何かが成功すると、類似したものが次々と派生していきますが、中国独自のグループや個人のアイドルなどが登場したことにより、より自分好みのアイドルを追いかけることができるようになっています。
中にはネットアイドルのような存在もいるようですが、日本のアイドル文化に影響を受けたファン達はリアリティを追求するため、やはり日本のアイドルを追い求めることに情熱を感じ、わざわざ日本へ来てまで握手会に参加したいと思うようなのです。
憧れのアイドルと空間を共有
日本へ来た際に握手会に参加したいと思う中国人観光客の多くは、片言でも日本語を話すことができたり、ファン同士の繋がりでイベント情報を共有することができるので、それに合わせて訪日予定を組むことができます。
握手会などは参加するために抽選があったり、チケットを事前に予約しないといけないなど、日本に住んでいないとハードルが高いことが多々ありますが、日本に在住する中国人のアイドルファンたちの協力もあり、運良く握手会に参加することが可能となるのです。
SNSに握手会に参加した様子をよくあげている中国人ファンの多くは在住者なので、そこからコンタクトを取り情報収集。憧れのアイドルの握手会に参加する流れが主流のようです。
こうしてやっとの思いで握手会に参加し、わずかな時間ではありますが、憧れのアイドルと過ごす空間は忘れがたい体験となります。
しかしながら、とある握手会で、中国人ファンが金にモノを言わせて1時半もお目当てのアイドルを独占して炎上したことがあったようです。
これから握手会に参加したい同胞たちが参加しづらい状況になりかねません。何事もほどほどに願いたいものです。