【越境EC】 夏間近!ソーシャルバイヤーたちのねらい目は?
我々『中国トレンドExpress(通称:CTE)』編集部が追い続けている、日中間のソーシャルバイヤー。この夏に向けて活動も活発化している様子です。近日のSNSの動きからソーシャルバイヤーの興味の先を分析します。
日本のファッション雑誌も情報源
これまで述べたように、日中間には数多くのソーシャルバイヤーが活動し、日々中国の消費者とコンタクトを取りつつ、日本の商品情報を収集しています。
特にこれから夏に向け、夏用の化粧品やグッズへのニーズが高まるようで、ソーシャルバイヤーたちはあの手この手で日本の最新情報の収集をしている様子です。
その中で注目されているのが日本のファッション雑誌。ソーシャルバイヤーたちにとって、日本のファッション誌を人気商品の情報源として注目しており、自分が見つけてきた商品が「日本で本当に人気になっている」ことの証として宣伝素材に使っているケースも見られます。
余談ながら、6月に入って複数のWeChat日本情報紹介公式アカウントで「日本のファッション雑誌はすごいぞ」という記事がアップされていました。
何がすごいかといえば「付録」。
確かに書店に積まれているファッション誌には、紙面よりも分厚くなった付録が挟み込まれています。日本では比較的見慣れた光景なのですが、中国出身のソーシャルバイヤーさんには面白く映るようで、こうした情報を消費者に向けてアップし、情報提供を行っているソーシャルバイヤーさんもいました。
都内ドラグストア経営者が語る「今後、中国で売れそうなもの」
さて、東京都内には「ソーシャルバイヤー御用達」のドラッグストアが存在しているとの情報があります。CTEではそのうち、都内某所にある1店に潜入してみました。
見た目は街中によくあるドラッグストア。ただ、お店の前には「微店店長アプリ」向けのQRコードが張られており、ソーシャルバイヤー向けに商品販売もしている様子。店内には中国向けに発送するためか、国際郵便のあて名が張られた段ボールが置かれていました。
この店舗の中国人オーナーは、日中間の貿易会社を経営しているとのことで、ドラッグストアは付近の住民やサラリーマンを対象にしているとのこと。ただ、一部のソーシャルバイヤーもやって来る(中国語が通じるため)ので、それに対応していると説明してくれました。
その中国人経営者に、今後の売れ筋商品について聞いてみると、「引き続き化粧品だろうね」とのこと。ただし、注意が必要なのが「その化粧品ニーズも細分化している」と語ってくれました。
つまり、これまでの中国の消費者は、日本の化粧品に対して大手ブランド商品や有名商品など「広くて浅い」情報しか持っていませんでした。しかし「これからは違う」とその経営者は語ります。
ここ数年で、越境EC(ソーシャルバイヤー含む)によって数多くの日本商品が中国へともたらされました。それによって多くのユーザーが自身でその商品を体験しています。
その体験のなかで、中国消費者も「もっと便利なもの」や「自分の生活に合わせたもの」、「自分のこの悩みを解決したい」など、様々な個別のニーズが生まれてきます。「そうした細かなニーズに対応した商品が、今後売れていくのではないかな」と語っていました。
実際に、寝起きに顔に貼るだけでスキンケアができてしまう機能性フェイスパック「サボリーノ目ざまシート」も、中国のOLさんを中心に人気が続いています。
このように、生活サイクルや特定の肌の悩みを解決していく商品が今後求められて行きそうです。そのためにも、正確な商品情報や魅力をより積極的に、正しく消費者に伝えられるかがカギになってくるでしょう。
注目を集める日本の電子タバコ
今一つ、同店の経営者が注目していたのが日本の「電子タバコ」です。
同商品は日本でも急速に普及していますが、中国でもニーズが高く、トレンドViewerにおいても「買いたい」「買った」双方でランキングが上がってきています。
中国では愛煙家が多く、ビジネスの場でもコミュニケーションツールの一環としてたばこが使われることが、依然として多くあります。
ただ同時に、健康ブームおよび政府の国民健康施策として、都市部では「気軽にタバコが吸えるスペース」が減っています。また「妻が禁煙をうるさく言ってくる…」といったボヤキがWeiboでつぶやかれるように、家庭でも健康のためたばこを控えるという意識が強まっている様子。
そうした中、日本の電子タバコが注目されているのです。愛煙家も「これならいいでしょ」と家族の前で言えるのがよいとか。
常に新しいモノを求めるソーシャルバイヤー、その視線の先に何があるか、今後も継続してレポートしていきます。