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【中国美女】第1回 在留7年だけど、日本情報は中国から?~朴銀花さん

越境ECインバウンド中国消費者をターゲットとしたビジネスは年々拡大中。そこで気になるのが「中国の人たちは何を求めて、何に刺さるのか」。そこに悩みを抱える中国事業の担当者も少なくありません。

しかし、よく考えてみましょう。2007年末時点で日本国内に約73万人(総務省調べ)、東京には2018年2月6日時点で約20万人(東京都調べ)が生活しています。

そんな東京およびその近郊で暮らしている中国の女性に、日本について聞いてみてみようという本コーナー。第1回は在留7年、物流の現場でフォークリフトを操る中国東北美人です。

Data
名前:朴銀花
年齢:29歳
出身地:吉林省
日本滞在年数:7年
職業:物流会社社員
スキル:フォークリフト運転
取材スポット:東京都新橋  理由:「大学の時、新橋で4年間アルバイトしてました!」


アニメの世界からリアルな日本へ

-日本に来きっかけを教えてください。

日本のアニメが好きだった。(笑)

実は私、中国の朝鮮族(※1)なのです。言語が近いので日本語ができる人も多く、子供の頃には日本で働く親戚もいました。そこで中国と韓国以外に、「日本」という国を選択したのですね。

小学校4、5年生の時からよく近所のビデオ屋さんで日本アニメのVCD(※2)をレンタルして、中学生になるとパソコンを買ってもらって、今度はネットでずっと日本のアニメを観ていましたね。

でも、日本へ来てからアニメを観なくなったなぁ…。日本語学校から大学に入ったら学校とアルバイト、今は仕事で、アニメを観る時間が無くなりました。

でも漫画は隙間時間を使って読んでいます!日本の漫画はふりがなが付いているので、日本語の勉強にも役に立ってます。

 

-日本に来た時の印象は?

アニメでしか観たことのない、テレビの中の世界が目の前に広がっていた時は興奮しましたね。「この一戸建の街並み、本物なんだ!」って。

日本はどこへ行ってもコンビニストアとドラッグストアがあって、とても便利です。

ちなみに日本に来た当初、日本語学習の関係で千葉に住んでいました。私の出身地も田んぼがあったので、懐かしく感じました。

週末はいつも自転車で散策していましたね。何回か道に迷いましたが、大通りを探して家に辿り着きました。日本は安全だから、迷った時も全然怖くなかったです。

あ!でも初めて渋谷へ行った時、ナンパをする日本人や路上でお酒を飲みながら喧嘩している日本人がいてびっくりしました。「東京は怖いなぁ」と(笑)

-日本での生活は?

先も話しましたが、日本はとても安全で便利なので住みやすいです。

買い物は基本全部ネットショッピングです。食べ物、特にお米やお水など重い物は全部ネットで買いますね。

服は韓国系、メイクアップも韓国系または欧米系のほうが多いかな。でもアイラインは日本産。安くて質もいいです。

スキンケアは全部日本産ですね。肌荒れしやすいんですが、直接顔に塗るスキンケアは日本のほうが安全で、安心です。もちろん効果もとてもいいです。

 

-食べ物とかは?慣れました?

日本食だけは苦手ですね。刺身とか生の魚を何回も試しましたが、やはり無理でした。

天ぷらなら食べられるかな、少し油っぽく感じますが。

あ!でも焼き鳥が好きです!味は絶対”たれ”ですね。甘辛の味付けは地元にもあります。

私の出身地、吉林省は中国の東北地方でとても寒い地域(編集部注:真冬は零下30℃まで下がる)ですが、海から遠いため魚よりお肉(豚や牛)を食べますね。

普段は中華や韓国料理を食べるか、家で自炊。調味料はいつも新大久保で買います。

 

富士山より温泉、抹茶味よりミルクチョコ?

-ご家族やお友達が日本へ来たりとかは?

そうですね。私の大学卒業式に両親が日本に来ました。仕事の都合で4日間しか滞在しなかったのですが、新宿や皇居外苑、お台場と横浜へ行きました。

父が一番気に入った場所は横浜です。特に山下公園。「大都市の中でこんなに緑がいっぱいで、海も見られるなんて!」と最高だったようです!

 

-今、中国の人たちが行きたがるのは?

東京、大阪、北海道はみんな知っていますけど、最近は福岡ですね。

福岡の温泉街は大人気です。日本と言えば富士山と温泉でしょう。確かに富士山は綺麗だけど、見るだけじゃないですか。中国にも美しい山がいっぱいありますし。

でも温泉は、それとは違って体験できます。中国には温泉がほとんどないものですから。

温泉はすごく気持ちがよくてリラックスができて大好きですね。

 

-温泉といえば箱根、熱海も有名ですけど…。

実は、中国から福岡へのクルーズ船ルートがあるのです。

飛行機と比べて値段は安いですし、荷物制限もありません。なにより、ビザも必要ないのです。中国人にとって最も手軽に日本へ行ける方法ですね。だから中国の旅行会社もよく福岡を紹介しているみたいです。

中国国内のほうが日本情報通?

-一時帰国する時、定番の「日本のお土産」といえば?

中国へ帰る時には、いつもドン・キホーテでチョコレートとお菓子を買います。抹茶が苦手な人もいますので、普通にミルクチョコのほうをよく買いますね。ロイズの生チョコレートと白い恋人は定番。必ず買います!

一度北海道のミルク味を食べたら忘れられないです。本物のミルクなんです!(編集部注:中国消費者の多くが「日本の牛乳は美味しい、本物だ」という認識)。

あとは期間限定のお菓子ですね。日本の期間限定商品は種類も多いし、パッケージもすごく綺麗です。飽きないですね。

よく友達から「ここの限定商品を買ってほしい」とWeChatメッセージが来て、私は「へぇーこんなも売ってるんだ」と気づくことが多いです。みんな中国にいるのに、私より情報が早いですよ!(笑)

-中国の話題って、日本では「爆買い」なんかが話題になるけど?

何回も日本へ来た人って東京すら行かなくなったんじゃないかな。以前みたいな「買買買(編集部注:買う、買う、買う。つまり爆買いの事)」もしなくなりました。みんな、「せっかく日本に来たから、やっぱり温泉とか、中国ではなかなか体験できないことをしたい」という感じですね。

 

-周りの人って、日本の新しい商品情報はどこから仕入れてる?

ソーシャルバイヤーからです。よくWeiboWeChatの「友達圏(モーメンツ)」で発信してます。誰も最新の情報をほかの人よりいち早く発信して、日本の発売日にもうソーシャルバイヤーさんが自分のお店で売ってますし。競争みたいですね(笑)。

今はもう、ほとんどの日本商品が中国でも買えるようになりましたね。Taobaoを利用する人もいますが、偽物が多いからちょっと心配。旗艦店といっても完全に信用できないですし。

 

-旗艦店でも安心できないって?

中国では「旗艦店と言っても偽物の可能性がある」と思うの!だから日本に住んでいるソーシャルバイヤーから買ったほうが一番安心かな。そっちを利用する人のほうが多い気がする。

 

-これからも日本に住む?

そうですね。日本は都心から少し離れたら結構静かな場所もあります。空気も美味しいし、みんなはちゃんとルールを守れるし、ずっと住みたいですね。

ネットショッピングも好きだし、インターネット販売ビジネスにも興味があります。今後私もソーシャルバイヤーになろうかなー(笑)

 

-おっと、新たなソーシャルバイヤー、ここに誕生か?(笑)