【中国人気商品】 2019年1月～3月、中国消費者が最も「買いたい」日本商品は？ ～トレンドViewerデータでチェック～

日本ではすでに元号が変わり、新たな時代へと突入していますが、ますます熱を帯びているのが中国市場への関心。特に中国の消費者に向けた訴求・販売を考える企業にとって、彼らの「欲しいモノ」を継続的に把握することは大きな課題となっています。

そこで、『中国トレンドExpress』では有料ユーザーが使える「ランキング期間集計」機能を活用し、2019年1月～3月の「買いたい」ランキングとインバウンドデータである「〇〇したい」ランキングを集計。今年最初の四半期中国消費者トレンドを分析しました。

その分析を基に、今回から「買いたい」総合、「買いたい・コスメ」、そして「〇〇したい」を4回に分けてお届けします。

まずは2019年第1四半期の「買いたい」ランキング全体を振り返ります。

※それ以外セグメントデータに関しては info@trendexpress.jp （CTE編集部宛）までお問い合わせください。

中国の「年末」に、日本商品のクチコミも増加

2019年1月~3月まで、中国SNS上で日本の商品名とともに「買いたい」とつぶやかれた件数は3,315,705件。登場した商品名（一部は「お菓子」などのセグメント名）は468品目に達しました。

また前の四半期である2018年10月～12月の3か月間を比べてみても、クチコミ総数は10%程度の増加を見せています。

【グラフ】2019年第1四半期および2018年第4四半期「買いたい」クチコミ件数

これは第1四半期には中国の年末年始である春節があり、中国国内だけではなく日本に来て消費するシーズンであるため（企業によってはこの時期に年末ボーナスが支給される）、購買意欲が一層高まるシーズンであるからと考えられます。

ちなみに前年、すなわち2018年1月～3月の数値と比べると、商品数では474品目と今年を上回っていますが、クチコミ件数は1,537,320件と、半分以下。

年単位で見ると、日本商品の人気が高まっていることがわかります。

「買いたい」ランキングで不動の1位を保ち続けているのは……

では、2019年の最初の四半期ではどんな商品を「買いたがった」のでしょうか。

TOP20を整理してみました。

【表】2019年第1四半期と2018年第4四半期「買いたい」ランキングTOP20

1位となったのは「ヒロインメイク スムースリキッドアイライナー スーパーキープ」は、日本の化粧品メーカー・株式会社伊勢半のブランド「Kiss me」シリーズの商品で、中国で抜群の人気を誇るアイライナーでっす。

日本でも「涙・汗・皮脂に強く、美しいラインを長時間キープ」することができながら「にじみにくいのに、お湯でオフ！」というクレンジングの便利さ、さらには「筆先0.1mmの極細筆」が使いやすいと評判の商品ですが、その強みが中国の消費者の心をつかんでいるようです。

▼関連記事
【中国人気】ヒロインメイクシリーズ人気はプチプラコスメブームの予兆？－4月11日～4月17日「買いたい」ランキングから
【中国人気化粧品】 「濡れても落ちない！にじまない！」 中国女性大喜びのアイライナー大分析
【中国人気化粧品】商品の強みが中国の悩みとマッチ 消費者の「比較レポ」が人気に拍車を

また、TOP5ではわずかに順位が変動していますが、ランクを上げたのが「ファンケル ブルーベリー」。

「ファンケル ブルーベリー」は、眼精疲労など、目の不快な症状改善に良いとされるブルーベリーエキスを配合したサプリメントです。

人気の背景には日本以上にパソコンやスマホを使う機会が多く、視力の低下や眼精疲労、乾燥に悩む人が急増していることが考えられます。

さらには自身で効果を感じたため、父母や祖父母らへの贈り物として定期購入している人、さらには過度な宿題で目を酷使している子供用にと買い求める人が増えていることが影響しているようです。

これらの商品は越境ECだけではなく、インバウンドにおける人気商品となっており、春節などの訪日シーズンと重なる第1四半期で「買いたい」上位商品となっています。

圏外からランクアップした商品も

さて、2018年第4四半期と比べ、新たにTOP20入りした商品があります。その中で注目したいのが13位にランクインした「リフターナ コンセントレートマスク」。同商品は株式会社pbcのスキンケアパック。毛穴や年齢サインの気になる女性のためのうるおいエイジングケア商品です。

炭成分練り込みのレーヨン100％と高知県室戸のミネラル豊富な海洋深層水を使用した、黒いフェイスマスクで、はがれにくく、美容液を貯めこむことができるため、肌にうるおいと引き締め効果を与えてくれると日本でも人気の商品です。

トレンドViewerのランキング推移を確認してみると初出は2015年10月と、比較的早い段階での登場となっています。

その後、爆発的とはいかないまでも、ジワジワと順位を上げ、2017年第2四半期にはTOP100入り、同年11月ごろにはTOP50、2019年2月ごろにはTOP20入りを果たしています。

またクチコミ件数の推移を見てみても、急激な伸びこそないものの、やはり着実に「買いたい」というクチコミを増やしていることが見て取れます。

中国では特にこの「引き締め効果」、なかでも毛穴を引き締める効果が高いという点が訴求ポイントになり、Weiboだけでなく、小紅書（RED）でも実際に使用し、毛穴収縮効果を実感している消費者の写真が多くアップされています。

中国でも「毛穴」に関しても悩みを抱えている女性は多く、特に汗をかきやすい夏場に向けて「毛穴ケアをしよう」といった書き込みも多く見られます。

このような明確な機能は、社会・文化の異なる海外の消費者にとっても理解しやすく、受け入れる可能性が高くなるのです。

さらに普通の白いマスクと異なる真っ黒なこの商品、写真で見てもインパクトがあるというのも、多くのクチコミを誘発しているポイントになっていると考えられます。

ちなみに株式会社pbcと言えば、2018年3月ごろに当時の中国トップ女優・ファン・ビンビンの書き込みで爆発的人気を博した「酒粕パック」のメーカーとしても知られており、その点も中国消費者には受け入れやすい要因になっているようです。

次回は引き続き2019年Q1の「買いたい」ランキング人気商品のクチコミ件数の推移を分析してみようと思います。