【中国人気商品】ニベアの中国戦略は高級路線!? 高級美容クリームに匹敵の効能が話題-「EC人気商品」ランキングから
トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。そのランキングから、注目の商品、注目のサービスをピックアップ。中国消費者がハマる背景を探ります。今回は2018年11月28日~12月4日「EC人気商品」ランキングから、コスパ抜群のスキンケアグッズについて、中国の状況を分析してみたいと思います。
まずは最新のランキングから。
今週の中国人気商品:「ニベアクリーム(缶)」
今回は「EC人気商品」ランキング20位にランクインしている「ニベアクリーム(缶)」に注目したいと思います。
「ニベアクリーム」といえば、日本でもお馴染みのスキンケアクリームで、子どもの頃に手や顔に塗ってもらったという方も多いのではないでしょうか。今、この「ニベアクリーム」が万能美容スキンケア用品として、中国で話題となっているのです。
日本製ニベアがリーズナブルな理由
「ニベア」はドイツのスキンケアメーカー「バイヤスドルフ」が展開するブランドのひとつで、現在180以上の国と地域で発売されています。中国国内では「ニベアクリーム」は青缶150ml 59元(約1,003円)、日本国内では169gが500円前後と、およそ半額で購入することができます。
というのも、中国国内で一般的に販売されているニベアシリーズは、主にドイツからの輸入品となり、関税や流通経路の関係で販売価格も割高となります。
一方、日本は花王が製造・販売のライセンスを持って展開をしており、日本国内で流通しているニベアシリーズは“Made in JAPAN”となるため、リーズナブルな価格で購入できるというわけです。
同様のケースはアイスメーカー「ハーゲンダッツ」でもみることができます。
中国で大人気の「ハーゲンダッツ」はフランスの輸入品で、なんと小カップ35元(約595円)という超高級アイスなのです。日本では定価272円(税抜)ですから、中国と日本では2倍ほどの価格差があります。
中国人の友人から「日本滞在中は朝夕必ず1個ずつハーゲンダッツを食べるんだ。中国は定番の味しかないけど、日本は季節限定の味がたくさんあるし、なんと言っても安いからね!」という話を聞いたことがありますが、価格やラインナップを考えると分かる気がしますね。
超高級美容クリームの代用品として人気
青い缶やチューブの定番の「ニベアクリーム」が女性を中心に注目を集めたのは、某超高級スキンケアブランドの美容クリームと成分が近いのでは!?とネットを中心に話題となったことがきっかけでした。
実際は「ニベアクリーム」には美容成分は配合はされていません。しかし、シンプルな保湿成分の配合で、乾燥を防いで肌のハリ・ツヤを保ってくれるなど、優れた美容効果を実感できると口コミで評判となっています。
中国では某高級美容クリームの価格は60mlで3万円以上、「ニベアクリーム」は150ml缶がおよそ1000円と、1/30ほどの価格。
さらに日本製品のニベアシリーズは、ECショップでは中国の販売価格よりも割安で購入できるため人気となっています。
オリジナルの使い方がネットで話題
美容クリーム代わりに使用する女性が多いと紹介しましたが、それぞれオリジナルで生み出した「ニベアクリーム」の使い方がネットで話題となっています。
- 洗顔後、そのままたっぷり塗るだけで肌に弾力がでる
- 化粧水の後に塗るとさらに保湿力が増す
- 化粧前の下地で使うと化粧崩れしにくい
- たっぷり手に塗り、そのまま手袋をして15分パックする
etc….
日本ではNHKの「ためしてガッテン」で紹介された、洗顔後に化粧水をつけずにクリームだけをたっぷり塗る『ガッテン塗り』が話題となっています。
ニベア中国は広告宣伝がド派手!
中国国内で展開する妮维雅(上海)有限公司は、ドイツ本社が100%出資する子会社です。
現在、ニベア中国のイメージキャラクターには中華圏で最も人気がある俳優のひとりである朱一龍(Zhu Yi Long)、そしてMENシリーズにはワイルド系で女性に絶大な人気を誇る俳優の白宇(Bai Yu)を採用し、大々的な広告活動を展開しています。
雑誌やTVCMはもちろん、地下鉄などの駅貼りポスターや街中の一等地のビル等に設置されている巨大モニターでのCM放映など、とにかく“人目に触れる”ド派手な展開です。
中国国内における広告活動をみると、ドイツ本社が中国国内の市場をとても重要視していることがわかります。
すでに認知がある女性はもちろんですが、MENシリーズの充実ぶりをみると、男性に向けたアピールは日本以上です。
巨大な市場である中国のスキンケア業界の中で、ニベアブランドを広く定着させたいという強い気持ちを感じます。
このド派手な広告展開が功を奏してか、中国では中高級スキンケアブランドのポジションを確立しつつあります。
中国国内で認知を広めるためには、「モノの良さ」はだけでなく、やはり初期投資として莫大な広告宣伝費を使うのもひとつの方法なのかもしれません。