【ダブルイレブン】 消費者たちへの直撃インタビュー 2018年ダブルイレブン、どうでしたか?
「史上最高額」。「楽天の年間売り上げを1日で」など、日本でも数多くの情報が飛び交っています。もちろんその金額は非常に重要で、中国の消費者たちも中国SNS上で、この金額への「貢献(つまり使った金額)」を書き込みを行っていました(その中には日本情報発信の有名KOLも)。しかし気になるのは、中国の消費者たちがどのようにダブルイレブンと向き合っているか。
そこで中国トレンドExpressでは、ダブルイレブン直後に上海の消費者に今年の「貢献」度合いや感想などについて聞いてきました。
【Case 1】貿易会社勤務Aさん(36歳女性。月収約3万元)の場合
―今年のダブルイレブン、「貢献」額を教えて下さい。
A:今年は16,000元を使いました。予約販売は欲しいものを確実に買えるので便利でした。
―今年はどんなものを買いました?
A:今年はこのExcelに記入したものを買いました。
―表まで作ったんですか!すごいですね!
A: 予約販売は前金を払って、11日になってから残額を支払うというシステムです。なので、払い忘れなどが無いようにまとめておきました。
ダブルイレブンは予約販売と同時に買いたいモノが買えるのがうれしいですね。ちなみに国慶節ごろから買いたいモノを我慢して備えています。
―こうした商品の情報って、どうやって集めていますか?
A:値段は日常的にT-MallやTaobaoを見て値段も把握していたので、そこからですね。商品に関しては友人の紹介やネットのクチコミから探すことが多いです。
購入する商品は普段使いの商品が多いですね。ダブルイレブンは、こういった普段使う商品の値段が下がるので、少々多めに買うようにしています。
今回、nufaceとnubodyのマッサージ器を買いましたが、それはしわ取りの美容機器に興味を持っていたんですが、ちょうどWeChatの公式アカウントの記事を見つけて、検討した結果、この商品を購入しました。
―今回はキャンペーンが複雑って声がありますが、実際どうでしたでしょうか?
A:確かにキャンペーンは多かったですね。いろいろなキャンペーンのために、つい商品を買いすぎてしましました(笑)
PK(下のリンク参照)も楽しかったですよ。私のチームは1人77ポイント獲得しました。ラッキーだったのはチームの中にHRの仕事をしている人がいたのです。人材の仕事をしている人って知り合いが多いじゃないですか。だからたくさんの友人に声をかけて、ポイントを集められたんです。
▼2018年ダブルイレブンの「PKキャンペーン」については
【ダブルイレブン】 中国に新たな大学設立も? ダブルイレブンキャンペーンに中国が熱“狂”
―なるほど。相当楽しめたようですね。
A:そうですね。でも私の友人は海外旅行中にもかかわらず、ダブルイレブンで買い物する時間をきっちり確保してショッピングしていたみたいです(笑)
【Case 2】専業主婦Bさん(40歳女性。いわゆる「富二代」)の場合
―今年のダブルイレブン、「貢献」額を教えて下さい。
B:今年は10,000元ぐらい、全部T-Mallです。去年はT-Mall、JD.com、Suning、Dangdangとかで20,000元ぐらい使ったのですが、今年は去年の買ったものが使い終わっていなくて…。なのでちょっとだけの買い物です。
ただ、ダブルイレブンは「みんなが買ってるから買う」という感じですね。
―ちょっとだけ、というにはなかなかの金額ですが…。どういったものを買われたんですか?
B:買ったものは子供用品、家族の服、それから私の化粧品ですね。
―こうした商品の情報はどこで?
B:ひとつはWeiboの海外商品紹介アカウントや海外ショッピングブロガーさんたちの情報ですね。それ以外だとWeChatのソーシャルバイヤーからの情報、Taobaoライブなどが多いです。
ダブルイレブンの場合、1カ月前に買いたいモノをリストアップして、一週間前に実店舗で下見して本物をチェックしています。
―今年のダブルイレブンを終わってどうでした?
B:最初のダブルイレブンは単純だったなぁって。「全商品50%OFF」というような割引のされ方だったのですよ。普段使いの物を買いすぎて、使い切るまでに2年かかりました。
でも、経験から言うと、T-Mallで一番安いのはダブルイレブンじゃないのですよ。6月6日の「66」や9月9日の「99」のほうが安いことがあります。もちろん安くなる品数はダブルイレブンのほうが多いのですけどね。
―これは思わぬ情報、ありがとうございます。常にショッピングされているのですね。
B:はい!普段からショッピングは大好きです。T-MallやJD.com以外では『shopbop』で、海外のブランドを買っています。
ダブルイレブンではT-Mallで海外のブランド品を買っていますが、ダブルトゥエルブではTaobaoで食べ物などを買おうと思っています。
【Case 3】カスタマーサービスCさん(31歳 月収約1万元)の場合
―今年のダブルイレブン、「貢献」額を教えて下さい。
C:2,000元ぐらいですね。去年は子供がまだ1歳ぐらいだったので、普段必要な粉ミルクや紙おむつを買い込んで3,000元以上使ってしまいましたが…。
―今年はどういったものを?
C:今年は服や靴、化粧品。あとやっぱり子供用品ですね。
―こういった商品の情報はどこから?
C:主にはWeChatのモーメンツに上がっているようなもの。それからWeiboで何かいい商品を見つけたらチェックしておくことですかね。
ダブルイレブンが近づくと、みんな「何買うの?」ってWeChatで聞いてくるので「私も買わないと損だ!」って思えてきちゃいます。
―なるほど。ちなみに今欲しいものや興味を持っているものって?
C:日本のフィギュアです。「コップのフチ子さん」とか(笑)よくBuyee(海外居住者向け日本オークション代行サイト)をつかって日本のフィギュアを買っています!!
ダブルイレブン後は?~「土を食らう生活」へ
予約販売から計算すると1カ月弱、最大の盛り上がりを見せた11月11日当日の24時間。確かに中国の消費者たちは「買っていました」。
主に、「普段使っているものを安く買う」という消費者が多くみられるダブルイレブンですが、やはりこの「大安売りバーゲン」にも似た雰囲気につられ、「つい必要のないモノまで買ってしまった」という声もちらほら。
そこで気になるのは「その後」。すでにWeiboでは「ダブルイレブンのその後」というスレッドが立ち、多くの現状が報告されています。
「双十一后第一批买家秀(ダブルイレブン後最初のバイヤー・ショー)」というスレッドではダブルイレブンで商品を購入した消費者たちが、自分たちが購入した服などの写真を喜びとともにアップしています。
しかし、同時に苦しみの声も少なくありません。一つは「配送業者」。11日11日には10億件を超える小包が送り出されたという報道もされており、山東省済南市では「小包の受け取りのために徹夜で並ぶ高校生」といった報道がなされていました。
ニュースサイトでも、配送ステーションに溢れる小包などの写真がアップされており、アリババの物流システム「菜鳥」導入前、2013年ごろのダブルイレブンを彷彿とさせています。
しかし、それでも注文の翌日、翌々日には小包到着がWeiboでアップされており、地域差はあるものの、物流システムも順調に機能しているようです。
もう一つ、ネット上で人気のキーワードになっているのが「吃土(土を食べるの意)」。これは食べ物が無くて貧しいため「食べるものが土しかない」というニュアンスで、「ダブルイレブンで貯金を使い果たしてしまい、生活を切り詰めている」という状況の表現なのです。
Weibo上では「最近カップ麺しか食べていない~」や「カード会社からの請求を見るのが怖い」「銀行残高が見れない…」などなど、裏を返せば「自分はこんなに買った!」というPRとも取れるクチコミが溢れています。
「買わざるを得ない」ダブルイレブン。終了後も、消費者の叫びは続いているのです。
※次回の2018年ダブルイレブン振り返りは、ますます広がる中国IoT、ニューリテールの影響についてレポートします。