【ダブルイレブン】 全サイト合計で5兆1300億円! 2018年ダブルイレブン人気ブランド速報(コスメ篇)
24時間で3兆5000億円(2145億元)と、史上最高額のオーダーをたたき出した2018年のダブルイレブン。その全体像が徐々に明らかになってきました。今回は発表されている人気商材の中から、T-Mall化粧品セグメントのTOP10をご紹介。昨年に比べて大きく動いています。
2018年ダブルイレブン、全サイト総額で3100億元に!
興奮冷めやらぬ2018年のダブルイレブン。中国のメディアでは徐々に速報値としての結果が報告されています。
中国の調査会社「星図数据」では、2018年ダブルイレブン全体のオーダー金額を3143.2億元、日本円にして約5兆1300億円あまりと推測しています。
その内訳ではT-Mallが全体の約68%を占めており、次いでJD.comが17.3%となり、やはり2大サイトで全体の80%強という図式は変わりませんでした。
しかし、それ以外のサイトでは大手家電小売店である蘇寧電器のECサイト・Suningが健闘。実体店を合わせた商戦でシェアを伸ばしました。また世界大手のAMAZONも今年のダブルイレブンでは健闘しています。
【グラフ】2018年ダブルイレブン全体売り上げ(速報)
出所:星図数据
昨年と比べると、こうした第3勢力とT-MallでJD.comのシェアを少しずつ奪っているように見えます。1500億元あまりを売りあげた同サイトですが、「偽物騒動」等のネガティブなイメージが影響したのかもしれません。
【グラフ】2017年ダブルイレブン全体売り上げ
出所:星図数据
また、今回のダブルイレブンでは90パーセント以上がモバイルからの購入であったという報告もなされています。
そのため、今後はECのページにおいても「モバイル最適化」がより求められて行くことになるでしょう。
【グラフ】2018年ダブルイレブン全体の流入元(速報)
出所:星図数据
人気化粧品上位には変動が。資生堂もTOP10位逃す。
では日本でも注目されるダブルイレブン・コスメ市場を見てみましょう。今回はいち早く速報を出した中国のウェブメディア「天下網商」が発表したT-Mallコスメ市場の販売情報を見てみましょう。
※下記順位は11月12日午前1:00時点のデータであるため、今後の精査によっては順位が入れ替わる可能性があります。
【表】2018年ダブルイレブン、人気コスメTop10(速報値)
2018年 | 2017年 | |
---|---|---|
1位 | Olay | 百雀羚 |
2位 | L’oreal | 自然堂 |
3位 | Lancome | Lancome |
4位 | 百雀羚 | Estee Lauder |
5位 | 自然堂 | SK-Ⅱ |
6位 | Estee Lauder | Olay |
7位 | SK-Ⅱ | L’oreal |
8位 | Home Facial Pro | One Leaf |
9位 | innisfree | innisfree |
10位 | Winona | SHISEIDO |
出所:「天下網商」の発表より抜粋
これを見ると、過去3年間コスメ分野でトップを保ってきた上海のコスメブランド「百雀羚」でしたが、今年は首位の座を明け渡し、4位に沈みました。
代わって1位になったのはP&Gグループ傘下のブランド「Olay」。同ブランドは中国国内でも高い人気を誇っており、暦年のダブルイレブンでもTOP10常連となっています。
今年は10月20日からの予約販売期で徹底した「プレゼント戦略」を展開。「50ml買うと、100mlをプレゼント」と、買った商品の内容量の1.5~2倍の容量プレゼントを数字で押し出し、お得感をアピールしました。
さらにそうした情報が「豆瓣」などの、消費者レビューサイトに多く書きこまれていました。一部には同社が行ったPR戦略によるものと予測できますが、その魅力的なお得感が多くの消費者に刺さったようです。
2位、3位は同一メーカーの「L’oreal」、「Lancome」の2ブランドが入り込みました。両ブランドもOlayと同じくプレゼント攻勢をレビューサイトなどに展開。ただ、そのお得感の差によってOlayに1位を譲った形になったようです。
また8位に食い込んだHome Facial Proは2018年に人気を伸ばしたブランド。商品自体は2014年頃から登場していましたが、2015年に「日本の実験室と提携」(具体的な社名非公開)を詠い、2016年以降からシンプルデザインのパッケージで肌に優しい化粧品を売り出していました。
2018年に入ってからはKOL戦略やWeChatメディアなどでも取り上げられるようになり、メディア露出を強化している様子が認めらており、その結果、ダブルイレブンでTOP10に食い込む伸びを見せています。
こうした変化の中、日系では昨年10位に食い込んでいた資生堂は、残念ながらTOP10入りを逃す結果となりました。
情報を見てみると、こうしたダブルイレブン化粧品お得情報に関してはレビューサイト「豆瓣」での情報が多く、ダブルイレブンにおいても「より客観的なキュレーション情報」を信頼していることをうかがわせていました。