【ダブルイレブン】 2018年ダブルイレブンは「11月11日だけ」じゃない? 勝負の予約販売期まもなくスタート!
「中国最大のEC商戦・ダブルイレブン、まもなくスタート!」と聞くと、「え? 11月11日でしょ?まだ1カ月近くあるじゃない?」と思われるかもしれません。しかし、ダブルイレブンの商戦は実は10月の時点から始まっているのです。今回は間もなくスタートする本番前のプレイベントについて見てみましょう。
おさらい「ダブルイレブン」
「ダブルイレブン(双十一 独身の日)」とは、毎年11月11日に行われる中国最大のECイベント。
もともとは1が4つ並ぶ11月11日は、大学生たちが「独身の日」と呼びはじめ、彼氏・彼女がいない若者が集まってパーティを行っていました。
その若者たちに「独身の日、寂しい心をECでの買い物で紛らわそう」というイベントを、中国EC最大手であるTaobaoが立ち上げたのをきっかけとして「ECの祭典」へと進化していったものでした。
現在はTaobaoのみならず、同グループのB2Cサイト・T-Mall(天猫)、ライバルであるJD.com(京東)など、ほぼすべてのECサイトが参入し、海外のメディアからも注目される一大イベントへと成長したのでした。
2017年11月11日はT-Mallでの当日取扱総額が1682億元(約2兆7000億円)に達し、過去最高を記録。その模様は日本でも報道され、注目を集めました。
ダブルイレブン取り扱い金額の推移
実は長丁場の戦い「ダブルイレブン」
さて、そのダブルイレブン、日本では「11月11日」当日がクローズアップされ、まるで1日ですべてが終わるかのような印象を受けている人も多いかと思います。
確かに11月11日が本番であり、最大の盛り上がりを迎えますが、商戦としては約1か月程度の長丁場。メインイベントの前から激しいイベントが繰り広げられています。
そのイベントを大きく分けると「預售期(予約販売期)」、「預熱期(ウォームアップ期)」を経て「正式活動(11日当日)」と向かいます。
●予約販売期
この時期は一定の商品の予約が始まります。期間は10日程度。消費者はお目当ての商品を買い物かごに入れ「定金(デポジット)」を支払うことで確実に商品をGetできるというもの。
●ウォームアップ期
この時期は11月11日当日に向けた最後のプロモーション期間。いわゆる「紅包」と呼ばれるサービスカードを配布するなどの手法で、消費者を自身の店舗へと誘導する施策を集中的に打つ時期。まさに選挙戦における「最後のお願い」の時期です。
●本番
メインイベント。この日のAM0:00から24時間のダブルイレブンがスタートします。一部の消費者はお目当ての商品をお得にゲットするため、「目覚まし時計」をセットして戦いに備えます。
ダブルイレブンプロモーションの流れ
厳しいルールの予約販売期。消費者も店舗の本気度見極めに
さて、実際の購入の第一歩が始まるのが「予約販売期」。この期間に購入すると、11日の本番よりもリーズナブルに買えることもあるため、本番に負けない激しいバトルが繰り広げられます。
2018年の予約販売期は2018年10月20日~2018年10月31日。この日に向けて、多くのブランドは10月初旬からプロモーションをスタートさせていきます。
この「予約販売期」、T-Mallでは明確に商品価格のルールを設けています。これは、一部のブランドが行うといわれる、”ダブルイレブンシーズンに入る前に価格を若干上げ、ダブルイレブンシーズンに入った際に通常価格よりやや高い金額まで値段を下げる”行為を防ぐ目的があります。
この方法では、実際には通常価格より高い設定でありながら、消費者は「値段が下がった」と錯覚してしまうため、「消費者権益保護」の観点から厳しいチェックが行われているのです。
予約販売期価格設定の条件
- 最低成約価格(※)の90%以下であり、かつダブルイレブン当日の価格より低いこと
- 各商品セグメント個別の要求を満たし、かつ50元以上の設定となっていること
- 2018年11月12日~11月26日の価格を下回らないこと
※最低成約価格とは
サービス、キャンペーンなどによって表示価格より安い価格で販売することが多いダブルイレブンで、最終的に消費者がその商品を購入した最終価格。これには別途「2018年9月15日~2018年11月10日の最低成約額を下回らないこと」という決まりがある。
予約販売期には「デポジット」の支払いを求めることができます。基本的には10%程度の支払いを求めるケースが多くあります。
このデポジット、いったんAlipayに預けられ、もし11日までに取り消せば消費者の手元に戻りますが、取り消し操作を行わないまま正式購入を行わなかった場合は、デポジットはそのままその店舗に支払われます。
また正式に購入し、残金を支払った場合は、購入した消費者の手元に商品が届き、消費者が配達を確認した時点で、総額(デポジット+残金)が店舗に支払われることになります。
ちなみに残額は「11月11日AM1:00」から支払うことが可能になります。
なぜAM0:00からではないのかというと、時計が0:00をさした瞬間に、大量の消費者が購入・支払いに入るため、予約商品の支払いを行うことができなくなってしまうからなのです。
チェックが必要なのは「予約特典」を付けることも可能な点です。例えば「予約の方はデポジット支払い金額の2倍の金額をお値引き」といったキャンペーン。
このキャンペーンの店舗で2000元の商品を予約注文し、100元のデポジットを支払った場合、「100元×2」で、200元分が値引かれることになり、商品価格は1800元に。またでデポジットで100元支払っているので、残額は「1700元」となります。
消費者はこの予約販売時期に各店舗・ブランドの力の入れ具合を判断しているとも見られます。10月20日から始まるこの前哨戦、本番の様子を占う意味でも注目してみましょう。