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【中国美女】第3回 日中双方向の情報交流を手掛ける、国際化美女登場!

Data

名前:郭宇婷
年齢:25歳
出身地:内蒙古自治区
日本滞在年数:6年
職業:出版社(出版IP企画)
取材スポット:思い出横丁
理由:レトロ感満載で、昔の日本みたいな場所。まるでタイムスリップしたみたい。


日中から世界へ。今は日本文化に夢中!

ー今回紹介するのは日中の出版社で働く内モンゴル生まれの郭宇婷さん。凄い経歴の持ち主です。

中国有数規模の日本語学院の大連外国語大学に入学、2年間中国、2年間交換留学生として亜細亜大学で留学。

卒業後、東京外国語大学の大学院へ入学しましたが、在学中は半年アメリカに短期留学したり、国際ボランティア活動にも参加していました。

 

ー国際ボランティア?日本でですか?

いえ、2か月ほど日本のNPO法人がフィリピンで行った活動に参加したんです。

あと、半年間大学院を休学して、スイスにある国際機関IOM(国際移住機関)でも働きました。

 

ー話を聞いていると、まさに「国際化」という言葉がピッタリの郭さん。そんな郭さんから見て、日本にはどんな印象がありますか?

そうですね。日本は文化を大事にしている国だと思います。歴史の長さでは中国のほうが長いのですが、昔の日本はその中国からいろんなことを学び、そしてそれが大事に残されています。まさに先進性と歴史や文化が共存している日本が好きなんです。

 

ーなるほど。そうすると、日本国内を見て回るのも好きですか?

はい、普段よく日本国内を旅します。福島、新潟、金沢、岐阜の白川郷にも行きました。

一番好きな温泉地は群馬の草津温泉。ただ温泉に入るだけではなく、浴衣を着て町に散歩すると、タイムスリップした気分になるんです!

またいろんな祭りもありますし、近くに草津国際スキー場もあるのもいいですね。

スキーも好きです!長野もよく行きます。今ハマっていることは空手道です!ストレス発散もできるし、これも日本文化の一つですし、憧れもありました。そして、好きな食べ物は和牛!(本当に日本の文化が大好きなようで話が止まりません。笑)

変わる中国のライフスタイル。日本に求められるのは?

ー日本の事を語り始めると止まらない郭さんですが、それはひとまずストップして、今の仕事について教えていただけますか?

今は出版社で日中のコンテンツの「橋」の役割ですね。日本の魅力的なコンテンツを中国人に上手く伝え、同時に「今」のリアルな中国のコンテンツを日本人に紹介するお仕事です。

中国は今高度成長中で、ユニコーン企業(※1)がどんどん出てきていますが、日本でこういった中国の新しいビジネスモデルを紹介するメディアはまだ少ないです。

また現在、普通の中国人の生活にこうした企業のIT技術が定着しています。

スマホで決済ができるため出かける時も財布を持たず、滴滴出行(ディディチューシン)(※2)で事前に車を呼ぶ、外で歩いて疲れたらシェアバイクで乗り捨て、深夜2時でもお腹が空いたら「饿了么-Ele.me-」(※3) のO2Oフードデリバリーサービスで好きな食べ物を家まで届けてくれる…。こういう現状を日本の人たちに知ってもらいたいです。

同時に、日本の生活スタイルを中国人に紹介もしたいです。特に「趣味」についてですね。

ー趣味、ですか?

これまでとにかく「お金儲け」だけしか考えなかった中国では、趣味を持ったことがない人がほとんどなのです。

それとは反対に、個人的な印象ですが、日本人は趣味を持っている人が多く、しかも趣味に夢中になるあまり投資するのを惜しまない人も多いです。

書店へ行ったら、アウトドアでも釣り、登山、スキーや、インドアでは将棋、手芸など、専門書や雑誌がいっぱいあります。

ただ、中国も最近になってやっとお金の余裕が少しだけできました。特に80後世代はお金以外にも、体と心の健康を重視し始めました。

今後趣味にお金をかける中国人が確実に増えると思うので、市場はこれから十分あるはず。先ずは、日本人の趣味や楽しみ方を中国人に教えたいですね!(笑)

 

※1 2018年3月現在、世界で最も貴重な5大ユニコーン企業(Uber, アント・フィナンシャル<旧称:Alipay>, 滴滴出行, 小米, Airbnb)のうち3つが中国企業。

※2 滴滴出行(ディディチューシン):中国の400都市の4億人以上のユーザーへ交通サービスを提供する、中国のインターネット巨人企業3社(アリババ、テンセント、百度)全てから投資を受けた唯一の企業。

※3 饿了么-Ele.me-、中国最大手のフードデリバリーO2Oフラットフォーム。創業からわずか9年で、時価総額470億元(約8,000億円)と急成長を遂げた。

 

ーさて、現在郭さんが手掛けているコンテンツ、日本と中国では何か違いがあるのでしょうか?

日中の区別より、年齢別の区別のほうがありますね。

20代は、日本人も中国人も自己啓発の本を読みます。短期間でより高い能力、より大きい成功などの獲得を目指します。

30代~40代向けには、中国でも人生を見直す人生設計の本はたくさん出ていますし、60代に対しては老後の生き方や健康長寿の本が多いです。もちろん、女性向けの育児、美容の雑誌も人気です。

少し違うのは、特に自己啓発書などは日本人はシンプルで直観的に理解できる本を読みますが、中国人は難しければ難しいほど読みたがります。

その本を持っている時点でステイタスになるのです!(笑)

 

ーしかし、日中間のコンテンツを取り巻く環境は大きく変わっていますよね。郭さんから見ても、変化はあると感じますか?

そうですね。2、3年前まで中国企業は大金を掛けでも日本のIPを購入して、コラボ商品を作りました。

でも最近はIPを買って商品を売るだけではなく、中国の資金で日本の優秀なイラストレーターと共同開発のケースが増えてきました。今後中国の人気IPも増えてくると思います。

また、今の中国を紹介する日本の書籍や雑誌記事が増えています。日本人も中国の事をもっと知りたくなったのかなと感じて、とても嬉しいです。

 

ーなるほど。最後に、日本だけではなく世界でいろいろな活動に参加してきた郭さんから、今後の日本へのアドバイスを。

亜細亜大学も、東京外国語大学も、在学期間中いろんな国の人と交流ができて、視野も広くなりました。

でも、気づいたのは、日本は海外でNPO法人やボランティア団体がいっぱいあるのに、発信やPRができていないのはとても勿体ないと思います。

また、国際機関には日本人がほとんどいないのです。もともとアジア人が少ないのもあるでしょうが、NPOの情報発信などを通じて、こうした機関に日本人が増えていってほしいと思います。

<おまけ>

ーいつも聞いていた恒例の「おすすめお土産」。今回も聞いてみましたが、おまけとしてお伝えします。

中国に帰る時は、お母さんやおばさんたちにはいつもスキンケア、お年寄りはサプリメント、友達には見た目も可愛いメイクアップ商品、お父さんにはIQOSかなぁ!

従兄はIQOSを使い始めてから、徐々にタバコを吸わなくなったのです。最終的に、お父さんにもIQOSでタバコをやめてほしいです。

後は赤ちゃんや子供を持つ親戚にミルクや離乳食を買ってあげます。これは消耗品だから、かなりお金がかかります。

こうしたベビーマタニティ商品、中国製の商品はやはり安全性と信頼性の問題で、中国人はまだ信用できないんです。でも欧米の商品は高いし。

それに比べて日本の商品は品質はすごくいいのに、欧米と比べると値段は安く、バリエーションも豊富です。それに同じアジア人なので、好きな食感も近いと思います。よくお土産として買っています。