【インバウンド】日本料理は食べるだけじゃなく作りたい!―「○○したい」ランキングから
トレンドExpressが毎週行っている中国ソーシャルメディアにおける日本関連書き込み総件数ランキング。その中から「行った」、「食べた」、「〇〇したい」などインバウンドに関連したランキングをピックアップし、注目のキーワードを分析します。今回は2018年6月20日〜6月26日「○○したい」ランキングから、人気の日本料理に関しての新しいニーズです。
まずランキングトップ10はこちら。
今週のInbound Word:「日本料理を作りたい」
今回注目するのは、○○したいランキングの上位に入っている「日本料理を作りたい」です。
日本料理は中国人にはもうお馴染みで、食べたいリストには何種類もの料理が入るほど絶大な人気を誇っています。
ただこれまでは「本当の日本料理を“食べたい”」というニーズが中心でしたが、最近は「日本料理を“作りたい”」という中国人もかなりの数を占めてきているようです。
「日本料理を作りたい」というクチコミの件数の推移を見てみると、年々その件数が増えていることが見て取れます。
おしゃれな食事といえば「日本料理」?
中国人の若者世代でおしゃれな食事といえば「日本料理」というくらい人気があり、認知されています。
でも、ここでいう料理の数々は、玉子焼きやとんかつ、お茶漬けなどの極々ありふれたメニューです。もちろん寿司や天ぷら、ラーメンなどの定番料理も人気ですが、家庭料理的な日本料理がより支持されているのには理由があります。
そのほとんどが、日本のドラマや映画から影響を受けているようです。具体的には、「深夜食堂」や「孤独のグルメ」、映画の「かもめ食堂」「ごちそうさん」などが強い影響を与えています。
体験型日本料理に熱い視線
訪日中国人旅行者のリピート率が高まるのと比例するように、旅のスタイルが体験型に変わってきていることは周知の事実ですが、日本料理もまた食べることから作ることへと、楽しみ方が変わってきているようです。
近年、料理をする若者が増え始めており、日本料理を自宅でも楽しむ様子がSNSにあげられています。これは「いいね!」を求めるだけではなく、美味しいものを食べたらみんなと共有し、新たなコミュニケーションが生まれることが楽しいからなのです。
前出のテレビドラマなどでは、調理シーンが丁寧に描かれるなどしており、これがきっかけとなり、またこれを参考にしながら日本料理を作る人もいるようです。
中華料理は炒め物が多く、油と煙にまみれて調理するイメージが強いのですが、簡単な料理でも工夫を加え、手間暇をかける日本料理は、食べる以上に作ることに対して魅了させられるようです。
これも、中国の日本料理をおしゃれな食べ物と認識する若い世代で、大人数でワイワイと食事を楽しまなくなったり、もっと自分の食べたいものを食べたいというように、食事に対する考え方が変わってきたことが大きいようです。
家庭料理からキャラ弁。幅広い日本料理を「体験」
そんな中国人観光客の受け皿となる料理教室があるようで、外国人向け和食料理教室を運営している「わしょクック」。四季の食材を使った、20分でできる和食教室を実施しています。
外国人向けのキャラ弁教室「Anime Characters Lunchbox」もスタートするなど、日本文化と絡めたレッスンも魅力で、キャラ弁には、アニメ、和食、それからお弁当と、日本ならではの要素がいくつも含まれており、利用者から好評を得ているようです。
また、春節などの長期休暇期間中には旅行代理店から受注した中国人の団体を受け入れて料理教室を開催しているようです。食べるだけではなく、作るという体験を通して、新たな日本の魅力を感じてもらえたらいいですね。