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【特集】2017年、中国動画プロモーション市場は「UGC」から「PGC」に進化した!(前編) ~中国「動画」マーケティング最前線~

中国での消費行動においては、日本以上に「ネット」が存在感を放っています。

コンテンツの重要性、ネットでの拡散の構図などこれまでにも特集等でお届けしてきたところですが、本日はそのコンテンツを「制作手法」から2つのタイプに分け、中国動画マーケティングの最新の潮流を解説します。(解説:トレンドExpress代表取締役 濱野智成)


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2つの動画「PGC」「UGC」とは

日々ウェブにアップされる動画。これらは制作手法から「PGC」(Professionally Generated Contents)と「UGC」(User Generated Contents)に分けることができます。

それぞれは文字の通りで、「PGC」は「プロにより制作されたコンテンツ」、「UGC」は「ユーザーにより制作されたコンテンツ」を意味します。

前者には、動画の構成や撮影にそれらに熟練した制作者が携わり、一流の機材を用いて作られた作品が含まれます。

後者はストーリー制作や映像の撮影に専門知識を持たないユーザーが、スマホを利用し撮影するようなものが含まれ、具体的には一般のSNSユーザーがSNSにアップするような動画を指します。

PGCとUGCの特徴とは ~中国の「栄枯盛衰」

中国では有形無形問わず商品の流行について移り変わりの速さが特徴ですが、コンテンツの形式についても同じことが言えます。

コンテンツ市場では、2016年は「ライブ動画」の訴求力がダントツの1年でした。

中国で「流行る」ということは「そこに多くのプレイヤーが押し寄せ」「競争しあい」「強者だけが生き残る」というストーリーの誕生を意味します。最近の事例で言えば「シェアサイクル」「フードデリバリー」の業界でこのストーリーがなぞられています。

2016年の「ライブ動画」も同様の軌跡を描きました。そして「ライブ動画」にかかわる各プレイヤーが「競争しあ」った結果、今年「ライブ動画」はさらなる進化を遂げました。結果、いま注目を集めているのが「PGC」です。

まずは「ライブ動画」についてその概観をまとめてみます。

「共感」「衝動」に強み、ライブ動画

ライブ動画は誰でも気軽に行えるコンテンツとして普及し、KOLの台頭を後押ししました。KOLの紡ぎだすストーリーは「共感」を呼び起こし、その場限りの生放送は視聴者の「衝動」を突き動かします。

さまざまな企業がマスコミュニケ―ションではリーチできなかった層から、これまで手にすることができなかった共感を引き出し、購入を後押しすることで新たな売上や知名度の獲得に成功してきました。


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このようにUGCを代表する「(KOLによる)ライブ動画」はこれまでなかった効能を備えていましたが、その一方でそれが内包する「生放送」という価値の比重は大きく、「ライブ動画」は時間がたつにつれ情報としての意味が急激に薄れてしまうという側面が存在しました。

例えばセール情報を含んだライブ動画はそれがいかに視聴者やKOLのファンにとって魅力的でも、「それ(セール対象商品)はもう買えない」という一点で急激に色あせてしまう可能性は拭えません。

そこで、KOLのインフルエンサーとしての価値を保ちつつ、彼らが出演するコンテンツの価値を時間とともに薄れさせない方策の一つとして「PGC」が注目され始めました。

「ストック情報」「感動力」のPGC

「PGC」は設計されたストーリーと専用の機材を用いて制作されるため、時間の経過があっても価値を失いづらいという性質を備えます。

しかしPGCが補完したのはUGCの「情報の鮮度」だけではありません。PGCはUGCの「フロー情報」としての側面を「ストック情報」に置き換えただけでなく、「完成度の高さ」で視聴者を作品に引き込み「感動」を与えることにも成功しています。

中国人は、見ていると感動の胸やけを起こしそうな「過剰な演出」を好み、「自分事化できるコンテンツ」に注目する傾向があります。プロの演出が入るPGCでは、視聴者をしらけさせない限界ぎりぎりのわざとらしさが、構成・構図・音響など様々なレベルで表現され、視聴者の心に残ります。この「感動力」がPGCの一番の特徴といえるでしょう。


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中国でKOLの出演する「UGC」「PGC」が活用される理由 ~「信用」という最大の価値

情報があふれる今、国を問わず「信用できる情報」となることが有形無形の商品に価値を与えます。そして、ある情報が信用されるかどうかは、情報の発信源と説得力があるかどうかにかかっています。

そこで企業が消費者に訴求したい場合、「消費者の信用している人」を発信源に選ぶ必要があります。

「UGC」を補完すべく進化した「PGC」ですが、ここにファンを持つKOLを登用することで、「信頼できる」というより一層の価値を付加することができるのです。

ただし、KOLは彼(彼女)自身でひとつのメディアととらえることができ、KOL自身がその自負を持っている場合も少なくありません。

「このような演出で出演していただきたい」という制作側(彼らを起用した企業側)の意見を通そうとしても通らない場合もあります。

KOLの特性と、企業側の訴求するものとの相違がなるべく小さいKOLを見つけ出すことで、PGCの価値を最大化することができるといえるでしょう。

ベストなKOLを見つけ出すことが中国での動画マーケティングを成功させる要でもあり、同時に最大の困難であるとも言えます。選択肢として代理店の利用を一番に思い浮かべる日本のプレイヤーは多いようですが、実際に失敗を重ねながら自社製品との相性の良いKOLを探し出すことが結果として成功につながる場合もあります。


▼「ベストなKOL」って?(会員限定)

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▼後編では「動画配信サービス」と「中国政府」の立場から見た「PGC」の存在意義に迫ります

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