【セミナーレポート】2017年国慶節需要を逃さない!(1)10月上旬の国慶節連休が最も重要な商戦期である理由
トレンドExpressで月に一度開催している「中国向けマーケティング」情報のセミナー、7月は「国慶節需要を逃さない!2017年版 国慶節に打つべきプロモーション戦略とは~データで読み解く訪日観光客の新潮流~」と題して開催しました。「セミナーレポート」では会員限定で、当日の内容をサマライズしてお届けします!(セミナー講師:株式会社トレンドExpress代表取締役 濱野智成)
「日本旅行」検索のピークからその後の双十一・双十二につなげる導線を把握する
訪日中国人観光客数は、夏休みの7月、8月が最多となり、国慶節や春節が続きます。一方で検索エンジン百度のデータを見てみると、「日本旅行」についての地域別1日当たりの平均検索数がピークとなったのは、実は国慶節の期間となっています(中国トレンドExpress調べ)。国慶節の期間は日本に関して興味・関心が高まる期間と言えそうです。
分析期間:2015年10月~2017年4月
10月上旬、国慶節の時期は、SNS上のクチコミの存在意義が高まるタイミングです。なぜでしょうか? ECという販売チャネルの普遍化と、そのプラットフォームでの最大のセール「ダブルイレブン(双十一)」、「ダブルトゥエルブ(双十二)」の開催がその理由です。
中国人消費者が物品やサービスを購入する際にSNSを始めとする各種クチコミをチェックするのは以前のセミナーレポートでお伝えした通りです。
【セミナーレポート】中国市場攻略の第一歩!SNS活用事例 ~中国SNS運用の胆とは~(1)中国のSNSは日本とはちょっと違う!?
11月に一年で最大のセールが開催されることを知っていれば、国慶節以降、クチコミを含むネットでの検索が増加することも納得の傾向でしょう。
「ショールーム」としての日本 ~日本旅行は日本の価値を体験してもらう絶好の機会
こうした消費意欲の旺盛な中国人消費者ですが、訪日日数は長くて数日~10日程度。訪日中の消費行動にその意欲を向けてもらったとしても、日本滞在中にインバウンド消費がもたらす恩恵には限りがあります。
では日本製品、日本関連の消費需要をさらに増大させる方策はあるのでしょうか? 例えば、自国に戻ってからも日本製品を購入してもらうというのはどうでしょうか。越境ECの発展著しい今、日本製品を購入してもらうのは何も滞在中に限った話ではないのです。
訪日中国人が帰国後もECでリピート購入をしてくれること、さらにはクチコミを拡散してくれるという動きを見据えて、訪日中国人とのコミュニケーションをはかるべきではないでしょうか。
日本旅行の経験が引き金となり、帰国後の消費行動につながる…こういった、日本旅行が消費行動につながる構図ができつつあることを、トレンドExpressは「日本のショールーム化」と呼んでいます。この「日本のショールーム化」が進む今、大セールを前にファンを生み出す絶好の機会が国慶節なのです。
2017年の国慶節は8連休の長期休暇となり、これは日本に関する情報を仕入れてもらうための一年で最も大きなチャンスの一つと言えそうです。
また国慶節は、小売りと異なりアウトバウンドでの消費が期待しにくい地方自治体、ホテルなどにとっては、春節・年末年始に来訪してもらうため、日本というショールームで体験してもらった商品(観光、ホテルでの滞在)の感想をSNS上で拡散してもらえる可能性をはらんだ時期といえるでしょう。
国慶節休暇を利用した日本旅行、書き込みで話題になるのは8月末~9月初旬!
国慶節での日本旅行を話題にする書き込みは7月に入ると徐々に増え始め、8月の後半から急激に増加し、9月まで増加し続けます。これは中国人旅行者が8月後半までに旅行先を決定し、決定した行先についての情報収集を始めたことを示しています。
対象SNS:新浪微博
分析期間:2016年6月~8月
滞在中の消費行動を取り込むためには、8月末~9月初旬に行うプロモーションが効果的といえますが、航空券や宿泊はより早く購入、予約されるものなので、7月から動くことも必要です。
ここまでで国慶節旅行が訪日中国人のその後の消費行動に与えるポテンシャルや、国慶節の旅行で選ばれるためのプロモーションを仕掛けるべき時期について理解が深まったのではないでしょうか。次回はトレンドExpressが調査した訪日中国人旅行客の最新のプロファイルや人気の「コト」についてとりあげます。
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