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【特集】もうすぐ夏休み!今夏の消費動向を予測(5)~体験別ターゲット像とターゲットの求めるサービスとは?

6月後半の特集では、夏休みの消費動向予測についてお届けしています。最後に、「〇〇したい」上位20位を書き込んだユーザーを分析し、コト消費のトレンドの行方を探ってみたいと思います。

調査概要
内容:中国人が日本で「〇〇」したいと投稿した書き込みを集計、ランキング作成。
対象SNS:新浪微博
集計期間:2017年5月24日‐5月30日

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属性から見える、旅行行程の決定権を持つキーパーソン

まず、「〇〇したい」ランキングTOP20を書き込んだ新浪微博のユーザー属性を見てみましょう。男女比ですが、男性が39%(4140人)、女性が69%(9227人)となっています。

グラフ:○○したいTOP20書き込みユーザー男女比:男性4140件、女性9227件

年齢分布は、12歳以下0.04%(6人)、12~18歳3.68%(492人)、19~24歳24.83%(3,319人)、25~34歳42.28%(5,651人)、35~50歳19.29%(2,578人)、51~80歳9.88%(1,321人)です。一番多いのが25~34歳で、全体のうち4割強を占める形となっています。

グラフ:○○したいTOP20書き込みユーザー年齢分布:12歳以下1321件、12~18歳492件、19~24歳3319件、25~34歳5651件、35~50歳2578件、51~80歳2578件

女性が7割近く、また25~34歳の80年代後半から90年代前半生まれが半数近くを占めており、旅行先や行程の決定権を持つのが女性、特にその層であるケースが多いことが、改めて感じられます。では、ランキングTOP5における、男女比はどうなっているでしょうか?

  全体TOP5 男性 女性
1位 買い物したい 9.6% 90.4%
2位 温泉に入りたい 32.5% 67.5%
3位 日本料理を食べたい 60.0% 40.0%
4位 お寺に行きたい 37.1% 62.9%
5位 着物を着たい 11.1% 88.9%

TOP5でも、3位の「日本料理をたべたい」を除き、女性の割合が多い結果となっています。特に、1位の「買い物したい」については、9割が女性という結果となりました。やはり「訪日」のカギは女性が握っている、ということかもしれません。

中国トレンドExpress98号でご紹介したとおり、2016年の中国公民のパスポート保有者(有効期間内)は1.29億人と人民日報では報じられており、人口の約9.5%程度にとどまっています。今後、はじめて日本を訪れる中国人が増えてくる可能性もあり、基本を外さないという観点から、上述のターゲットはインバウンドにおけるマーケティング対象として意識しておきたいところです。

とはいえ、個人旅行者の増加、行動の多様化、地方分散が叫ばれている昨今、さらに「〇〇したい」のターゲットを細分化してみたいと思います。

男女別ターゲット像、キーポイントは「家族」?

それでは、男女別の「〇〇したい」TOP10、まずは「女性割合TOP10」から見てみます。

「〇〇したい」女性割合TOP10

  「〇〇」したい 割合
1位 舞妓さんになりたい 100.0%
2位 エステに行きたい 97.1%
3位 美容院に行きたい 92.6%
4位 買い物したい 90.4%
5位 着物を着たい 88.9%
6位 和菓子を作りたい 85.8%
7位 ライトアップ(夜景)をみにいきたい 77.9%
8位 日本料理を作りたい 76.2%
9位 温泉に入りたい 67.5%
10位 お寺に行きたい 62.9%

1位の「舞妓さんになりたい」は女性メインなのでうなずけるところですが、年代としては19~24歳が半数以上の54.4%を占めました。2位の「エステに行きたい」は25~34歳が57.2%を、3位の「美容院に行きたい」は19~24歳が69.1%と7割近くを占めています。同じ「美容」というカテゴリですが、かかる費用の違いもあるのか、年齢層におけるターゲットが違っていることがわかります。

また、4位の買い物は25~34歳が46.5%と半数近くを、5位の「着物を着たい」は19~24歳が58.4%と6割近くを占める結果となりました。

このように「コト消費」の大きなターゲットとなる20代後半から30代前半の女性ですが、彼女たちの訪日旅行のメンバーをイメージすると、小さいお子さんのいる家族旅行となることが予想されます。日本でもそうですが、「夏休みの家族旅行中、女性はお子さんの世話に手がかかり、落ち着いて旅行が楽しめない」というシチュエーションも容易に想像できます。

実際に新浪微博の書き込みにも「もし子連れじゃなかったら、もっと買い物だけできるのに。子連れだから、(歩く子供を追いかけて)子供がたどり着いたお店でだけ、買い物を楽しむ」「ずっと抱っこだから、写真もあまり撮影できない」といった困りごとに関する内容が見られました。

「〇〇したい」上位の舞妓や着付け体験、エステや美容院、料理体験などは一定の時間を要するものが多く、父親や祖父母に子供を見てもらうとしても、言葉の通じない国で半日近くも別行動をするというのもなかなか難しい状況かもしれません。このような状況を背景に、比較的家族全員で楽しむことのできる「買い物」が「コト消費」の1位であり続けるのも理解できるところではないでしょうか。

 

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